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―― 憂世に描くは、咲き果つ華の艶姿。

 投稿者:×  投稿日:2013年 6月 2日(日)23時25分13秒
返信・引用 編集済
 
悲劇の中に命を落とし、闇に沈んだ彼女は何処にも居ない。在るのは気の向く儘に、此岸に笑う一人の幽霊。



「 扨、何処か何か、しげな事は無いかしらねぇ……――――? 」



 ≪ 名前
――二度と顕れる事の無い名前、二度と咲く事の無い華。
彼女の魂が与えられたのは、水面に咲き誇る清浄の花の名前。


 ≪ 諱名
――語る者の無い、"彼女"で無い彼女の名。
喪われた名を名乗る事は皆無と化し、最早描かれる事も無い。


 ≪ 容姿
透き通る程白い肌、長い長い艶やかな漆黒の髪。それよりも尚黒い、水晶の様に澄んだ両の眼。
華奢な体躯に纏うのは鮮やかな深紅の地色に白の流水と花を散らした着物、山吹の帯。
大人びた空気の、年齢不詳の女性。


 ≪ 得物
【花焔】 ― 朱塗の鞘に収まる細身の日本刀。長さ三尺四寸、刀身は二尺二寸。
銀色の刀身に美しい乱刃と樋の入った業物は彼女の常用する物。
【影守】 ― 深い黒の鞘を持ち抜けば鈍色を晒す直刃の刀、長さを三尺五寸、刀身二尺四寸。
鞘の拵え部分には笄にの代わりに金簪にも似た、三寸程の長さの小柄が収められている。

その他、小型の拳銃と縁部分に薄刃を仕込んだ扇は複数、常時袂に忍ばせている。


 ≪ 分類 ≫ ――或いは一つの在り方。
彼女の分類を最も近い言葉で言い表すとするならば、"幽霊"と銘打つ冪だろうか。
自分でも幽霊という存在を明確には理解も把握も出来ていないらしく、自嘲を籠めて怨霊と名乗っている。
全てから独立し全てが自己に完結した、唯そうあるだけの存在であり存在ですら無い何か。
何者からも不干渉、不可侵、そして不確定。あらゆるものから隔絶し、得体の知れない何かであり、
亦何者でも無い。その不確定性、不明瞭性こそが彼女であり、それも亦完全な真では無い。
――唯、彼女は彼女としてそうあるだけ。


 ≪ 位相 ≫ ――或いは此処ではない場所。
生死の境、有無の間、明暗の線上、此岸と彼岸の狭間。辿り着く事能わぬ領域。
元来在り得ないものであり、在り得ない事柄であり、在り得ない現象。
何れにも当て嵌まり何れにも当て嵌まらない彼女は、然し此処に「在る」という矛盾の位相。
在りながらにして何処にも無い、死んでいるのに此方に居る、そんな狭間。
狭間の位相により何等かの下、上位性、高位性を理由とした影響や干渉、或いは事実といったものを摺り抜ける。
能力や体質などでは無く、それが彼女の据え置かれた、亦、在る事を決めた位置であり、
それによって始点も無ければ終点も無い、あらゆる" 終わり "の概念に囚われない者へと成り果てた。


 ≪ 理屈 ≫ ――或いは紡がれた戯言。
無数の背景を持つ人々と関わった末の、彼女の見出した一つの理屈。
個々人の持つ事情、感情、過去等、それらによって成り立つ異質の力を否定しない。
世界とは飽く迄自分にとっての世界でしかない、と思っているからこそ。
個人が其々に持つ現実が薄い紗の様に重なり合い、危うい均衡の上に成り立つのが世界と言うものの認識。
一つの世界の内側に彼等が存在するのではなく、世界とは人々の内に存在する。
個人が自分自身の世界を内包していると言った具合。それ故に、彼女は他者の持つ現実に対し干渉しない。
寧ろ干渉して良い領域では無い、と考えていると言った方が正しいか。
自分自身は唯の絵空事であるのだから。但し、他者の現実は飽く迄他者の現実。
誰かの持つ世界はその当人の物であり、彼女にとっての世界ではない。
大概の現実は共有されてこそある物の、相違の大きな事柄は反映されない。より言えば、"在り得ない"。
恰も、それは信仰の様に。特定の信仰から見れば存在する神も、別の方向から見れば在り得ない物。
全ての現実はそうやって成り立ち、彼女の関与する物でも無ければ何処から関与される物でも無い。
多世界、全次元。そう言った表現すら、その多世界も全次元も彼等の中に内包された世界であるのだから。


 ≪ 特異 ≫ ――或いは異質の御噺。
 ――異様、異常、異相の魂――

基本的には自身の魂を根源とし、具現化、現象化を可能とする能力。
種々の応用技巧と彼女自身の背景等によって様々に枝分かれするがそれらの根源は彼女の魂。
生前異能者であった折から親しんでいた能力であり乍、死後の在り様等から内容は大きく変遷している。
言霊の使役や怪奇現象、虚と呼ぶ一切の無による浸食や唯"殺す"だけの力、
あらゆる物からの逸脱と矛盾の活用等々、多岐に渡るが凡そ多用する事は稀であり、
大きく分ければ呪術師としての能力と幽霊としての能力に二分される。


 ≪ 付記 ≫ ――或いは唯の絵空事。
幽霊と言う存在は本来在り得ないもの。
如何な宗教書を解いても死者は皆冥界へと向かい悪人は地獄へ落ち、そうで無ければ極楽浄土や天国へと昇る。
死後の世界等無いと言うのならば死んだ者は死を迎えそれで終わり、何にせよ現世に留まる理が無い。
即ち幽霊等は何処にもおらずそれは唯の夢想に過ぎない、だから彼女も" 何処にも居ない "。
ならば彼女達は一体何であるのか、それは生きた人間の想像であり創造、生者の暗闇を恐れる心、
死者に疚しく感じる心、未知への畏怖や後ろめたさと言った感情に呼応し顕れる、
生ける者が自身で創り出し目にし、自身で怯える、昏い" 影 "。
なればこの絵空事を自称する" 彼女 "は何であるのか。彼女の描き主は彼女自身、生前の彼女に他ならない。
生前の××××が望み描いた絵空事は彼女の特異と願望と呼ぶには余りに昏いものにより顕れた" 絵空事 "。
即ち此処で言う彼女はその描き主の産物に過ぎない者であり、その描き主である本来の××××が現在如何在るのか、
果たして本当に死んでいるのか、或いは何処か何かの形で存在しているのか、一切が不明。
絵空事には関係無い事でありされど彼女自身の事であるには変わらず、それでいて興味も無い話。




「 描いた物は、望んだ事は、結局何だったのかしらねぇ?


今の私にはもう、到底分かりそうにない。


私は私でしか在れない、なら、今を私なりに在り続けるだけ。


さぁ、怨みを喪った怨霊を、私を、どれ程愉しませてくれるの――――? 」


「 私は唯の、絵空事。 」


「 愚かしくて可愛らしい、異常な人達。 」



 
 

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